腹を据えて取り組もう
非常に優れた本なのですが、やはり類書と比べて分量が多く、解説が丁寧で論理的で重量感があり、今どき珍しい白黒刷りでレイアウトが味気ない(というよりもレイアウトは悪い)ことから、根気のいる参考書と言えましょう。
最初のうちは非常に簡単ですが、読み飛ばすことは勧められません。なぜなら、取り上げていることにはきちんとした意味があり、この本に書かれていることを順に丁寧に積み重ねていくことで確かな力が付くような構成になっているため、ところどころ欠けた知識があると効果が半減してしまうからです。特にはじめの方は簡単すぎると思いますが、必ず丁寧に英文を訳し解説を読み、知っていることでも確認だと思って気長にいきましょう。といっても、じわじわと難易度が上がっていき、終盤になると一つの文章を全訳するのに1時間も2時間もかかることもあり、また違う意味で精神力を必要とします。
どの本にも言えることですが、決して1度やっただけでは十分ということはありません。伊藤先生の提唱する読み方を「型」として習得することを目指すため、何度も何度も読み返し完全に血肉化しなければ本当の効果が得られません。それには覚悟が必要です。
基本的にはやるのならば、腹を据えて、途中で投げ出すことなく根気強く続けていきましょう。
進めるペースについてですが、1,2年生でゆとりのある人は、随時復習を重ねながら、1日1章程度でよいでしょう。3年生ならば、1日2章程度のペースでないと厳しいように思います。1日に何章も進めると、逆に定着しにくくなると思うので、こなしすぎにも注意しましょう。
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